2025.01.24

視点を変えると…~見え方が変わるよね~

手のひらを見てください。「手相」とも呼ばれる大きな線が何本か走っているのが確認できます。小さめの線も見えますね。今度は手の甲を見てみましょう。指の骨が少し浮いて見えます。指の第2関節のところには、細かいしわが何本も見えます。血管がうっすらと青く浮かんでいます。人によって、また性別や年齢によって、異なるところはあるでしょうが、手のひらと手の甲では、かなり見え方が異なるはずです。

手のひらと手の甲で、見え方が違うのはあたりまえのことじゃないか、そう思った人もいるかもしれません。

でも、どちらも「手」であることにまちがいはありませんね。同じ手でも、見方、視点を変えると全く違ったものに見えてしまうこと、これを知っておくことは大切なことなのです。

今度は、一つの「事実」が私たちの前にあるとしましょう。この「事実」、どういう見方をするのか、どちらに焦点を当てて見るかによって、相当違ったものに見えてしまうのです。これを知っているのといないのとでは、相当大きな違いが出てきてしまいます。

もう一度、手で説明してみましょう。手のひらだけを見ていたのでは、「手」の全体像をつかむことはできず、逆に、手の甲をどれだけ丁寧に観察しようと、「手」の全体像をつかむことはできません。手のひらと手の甲を含む「手」の全体を見るためには、自分から見えている「こと、もの」だけで判断するのは危険なのです。

「事実」を前にして、自分から見えていない「こと、もの」があるのではないかと考えておくこと、視点を変え、立場を入れ替えてみることで、全く別の「こと、もの」が見えてくる可能性があることを知っておいてほしいと思います。