「全国戦没者追悼式」に参加するため、東京に発つ前日、入院していた母を見舞った。
食道がんが、肝臓、肺にも転移し、緩和ケアのみ行っている状態で、東京から帰る日は、余命ひと月程度と宣告されたその日時に近いのであった。
既に意識がない母に、親不孝の限りを尽くした息子の最後の願いを聞いてもらおうと思った。
おふくろ、明日からおじいちゃんと一緒に東京に行ってくる。「全国戦没者追悼式」に参加してくるから、オレが帰るまで、元気でいてくれ。命長らえてほしい。
母は、私の願い通りがんばってくれた。そして、東京から戻った日から1週間しないあの日、旅立った。
あれから6年が経った。平成30年の夏は、忘れられない。
先ほど、「全国戦没者追悼式」の中継で、列席者同様、1分間の黙とうをささげ、三権の長4名と遺族代表の言葉、天皇陛下のお言葉を聞いて、あの日を思った。戦後、79年の歳月が経った、今日、8月15日である。