ユング心理学において、「シンクロニシティ」と並ぶ重要な概念として「コンステレーション」ということばがある。
英語で「コンステレーション」は、「星座」という意味を持つ。
世界の多くの民族が、大空に瞬く(またたく)星々を線でつないで、いろんな形を見て取った。鳥であり動物であり、西洋ではギリシャ神話の神でありアルファベットの「w」であり、時には物の形、たとえば、ひしゃくであったりもするのである。それらは、星座の名前であると同時に、西洋占星術において、一部星座の名称は、12月までの各個人の誕生月に対応するものとして、頻繁に使用されることとなったのは周知のとおりである。
ユング心理学における「コンステレーション」は、「布置(ふち)」あるいは「配置」と訳される。「配置」ととる方がわかりやすいだろう。一見すると無関係のように見える複数の現象、事象が、実は相関関係を持つものであるということに気付いたり、ある種の意味を持つものであることに気付いたりすることを言う。視点を変えることにより、多様な価値観を認めることにより、あるいは、豊かな感受性や知識を身に着けることによって、その「配置」の関係性やある種の意味が明らかになることがあるというのが、私自身の解釈も加えた「コンステレーション」の考え方である。
実際に起きた現象、事象そのものとして捉えることも可能だし、自分自身を含む、自分の周りの家族や友人と捉えることも可能だ。そこにどんな意味を見出すか、それは人によって異なり、その時の感情によっても大きく左右されることもまた、あるだろう。
「コンステレーション」の概念を持つことによって、辛いことや悲しいことが我が身に降りかかった時、「この『配置』は自分にとって何を語りかけているのだろう?」と自問自答することで、乗り越えられるということもあるに違いない。