かれこれ、10年ほど前になるだろうか、「ちっちゃなおもひでについて」というブログを上げたことがあるので、続編となる。
京都は北野天満宮から徒歩3分ほどの所に「おもひで焼き」を売る洋食屋さん、「ちっちゃなおもひで」がある。当年とって、77歳の「おばちゃん」が、小150円、大450円の「おもひで焼き」の商いを40年以上という長きにわたって続けている。
カウンター席は2席、後ろにもう1つだけ丸椅子をおいてあるだけの小さな店だ。残暑厳しい先日、おもひで焼きの大と、かき氷の抹茶を食べに行った。そう、食べに行ってきたのである。もちろん、そのためだけに行ったのではなく、夕方に最も大きな目的があった。これについては、また書く機会もあるかもしれない。
小1時間ほど、「おばちゃん」の楽しい話を聞きながら過ごした。常連客というにはおこがましいが、「おばちゃん」は私の顔を覚えてくれている。
今年の正月3日の話は、とりわけ興味深かった。
割りばしの補充を忘れてしまった「おばちゃん」、通常、持ち帰りのお客さんにも割りばしをつけるが、店内食用の割りばしが不足するのを恐れ、お客さんに、
「すんまへんえ。割りばしが足りひんもってからに、今日は堪忍しとくれやす。」こう言いながら、店の外で「おもひで焼き」を購入するお客さんには、いちいち謝って、割りばしをつけなかったという。
しばらくすると、小学校5、6年生と思しき(おぼしき)女子児童3人が、「おばちゃん、この割りばし、つこて!」と言って、割りばしのセットを3束ほど買ってきて「おばちゃん」に渡したのだという。「おばちゃん」急いで、「おおきにな、お金、お金!」と言って、外に出たが3人とも既に行ってしまってどこにもいなかったのだという。
見知った顔の子どもではなかったそうである。