2024.05.23

国語の問題、どれぐらいわかるでしょう? ②

 「次の表現のおかしいところはどこでしょう。」に対して、各項目ずつ解説する。

(1)「こうした議論には、違和感を感じるのである。」

 「違和感」は、「覚える」ものであり、「ある」ものである。「違和感を感じる」としてしまうと、国語的には「同語反復」と呼ばれる、誤った表現になってしまう。「同語反復」とは、例えば「頭が痛い」や「頭痛がする」という正しい表現を、「頭痛が痛い。」としてしまうようなことを指す。したがって、例文においては「違和を感じる」とするか、「違和感を覚える」「違和感がある」とするのが正しい。

(2)「今週土曜日をもって、締め切らさせていただきます。」

 「さ入れ言葉」と呼ばれる誤った表現である。無意識に使っている人を結構見かける。「さ」を取って、「締め切らせていただきます」とするのが正しい。

(3)「明日、17時から補習を入れようと思うけど、来れるか?」

 「ら抜き言葉」は中学生の学習内容であるが、最近はむしろ「ら抜き言葉」の方が幅を利かせている感が否めない。「食べれる」「着れる」「見れる」など、すべて「ら抜き言葉」であり、作文や記述式でこれを使った場合、減点対象になる。したがって、正しくは「来られるか?」である。

(4)「先生のおっしゃられることは、ごもっともです。」

 「二重敬語」の典型例である。これもよく聞く誤りである。「おっしゃる」という尊敬語と「尊敬」を表す助動詞「れる、られる」を同時に使うと「二重敬語」となってしまう。正しくは「先生のおっしゃることは~」とするか、「先生の言われることは~」である。

5)「お口に合うかわかりませんが、遠慮なくいただいてください。」

 これも「敬語」の誤りである。「いただく」は、「食べる」の謙譲語であり、この場合、「食べる」動作を行うのは話をする相手なので、尊敬語を使って「めし上がってください」とするのが正しい。

(6)「少ししかございませんので、二つづつ、お持ち帰りください。」

 これは「表記」の誤りである。「二つ」に続くので、「づつ」と書いてしまいがちであるが、「二つずつ」とするのが正しい。

 どれだけ正しく「指摘」できただろうか。